サプリメント療法(低分子化フコイダン療法)

低分子化フコイダンとは?

免疫細胞を活性化し、がん腫瘍を
小さくする効果が期待できるフコイダン。

フコイダンとは、1913年にスウェーデンの科学者H・Z・キリンによって発⾒された成分です。モズクやコンブ、ワカメといった褐藻類の海藻から抽出したぬめり成分(フコースを⼤量に含む多糖類)を指します。
これまでにも数々の研究がなされ、その構造や⽣理活性について多数の論⽂が発表されています。⽇本では、1996年に開催された第55回⽇本癌学会学術総会ではじめてフコイダンのアポトーシス(細胞の自然死)誘導作⽤についての研究発表が⾏われました。
フコイダンは、抽出する海藻によって構造が異なります。
「低分子化フコイダン」の原料となっているフコイダンは南太平洋のトンガ産のモズクから抽出しています。抽出したフコイダンを特殊な酵素で分解し、20〜80万だった分子量を500以下まで低分子化します。フコイダンを摂取すると免疫細胞が活性化し、がん腫瘍を小さくする効果が期待できます。そのメカニズムはまだ解明されていませんが、「フコイダンに豊富に含まれる多糖体が、菌類の細胞壁の成分と似ているため、免疫細胞が病原菌と勘違いして活性化するのではないか」と現段階では推測されています。
また、フコイダンを飲んだ患者さんに即効性が⾒られ、医師たちに驚きを呼んでいる理由も「低分子化した糖」にあると考えられます。がん細胞が栄養として⼿っ取り早くアミノ酸や糖を摂取しようと引き寄せるからです。


低分子化フコイダンによる三⼤作⽤

現在わかっている、低分子化フコイダンの持つがんに関する作⽤は⼤きく分けて三つあります。「アポトーシス作⽤」「血管新⽣抑制作⽤」「免疫⼒強化作⽤」です。フコイダンを低分子化する理由ですが、⼈体が⼗分に吸収できる分子量は3,000 以下とされています。したがって、低分子化することにより、消化器官から体内への効率の良い吸収が⾒込めるようになります。

低分子化フコイダンによる三⼤作⽤

⼤腸がんの細胞を接種したマウスに、高分子と低分子のフコイダンを混ぜた餌を与え、腫瘍移植後の⽇数を調べたものです。高分子フコイダンは、初期の段階で腫瘍が⼤きくなるのを防ぐことがわかったものの、全体的に強い腫瘍抑制効果は認められませんでした。
⼀⽅の低分子化フコイダンは、腫瘍の増殖抑制効果が継続的に⾒られ、⽣存⽇数においてもはっきりとした延命効果が認められます。

アポトーシス作⽤とは?

⼈間の体には約60 兆個の細胞が約200 種以上の細胞群に分かれ、各臓器の⼀員として、極めて精妙に調節されながら全体のために働いています。これらの細胞は⼀定の周期で新陳代謝します。組織でいえば、皮膚なら約28 ⽇、骨なら約4カ月で新しい組織に再⽣しています。
細胞が古くなれば死んでいくという現象は、⼀⾒、当たり前のように思われるかもしれませんが、じつは遺伝子情報の中に「自滅」という指令が組み込まれており、どの細胞も⼀定の期間を過ぎると「自ら死を選び自滅していく」という仕組みになっています。また、細胞に異変が起こった場合も、自滅するスイッチが働きます。こうした細胞が自然死していく現象を医学⽤語で「アポトーシス」といいます。さて、細胞が⽣まれ変わるには、以前とまったく同じ遺伝子をコピーする必要がありますが、さまざまな原因で遺伝子のミスコピーが起こる場合があります。その結果、⽼化して、死滅するはずだった細胞が無限の寿命を得て、増殖を開始します。これが、がん細胞です。低分子化フコイダンの特性的な作⽤として「アポトーシス誘導作⽤」があります。きわだっているのは、がん細胞だけに特異的に作⽤し、アポトーシスへと導くことです。血管新⽣抑制作⽤とは?

がん細胞は、がん自身が増殖するための栄養を確保しようと、血管を伸ばそうとします。別の視点で考えると、新⽣血管を作らせないようにすれば、がんは増殖できなくなります。低分子化フコイダンは、臨床実験でも、報告が上がってきております。

正常細胞とがん細胞に対し、低分子化フコイダンを加えてアポトーシス誘導を観察しました。
細胞がアポトーシスを起こすとDNA量が減少します。そこでレーザー光線を細胞に当て、DNA量を測定するフローサイトメトリーという装置を使ってアポトーシスの有無を調べました。
結果として、正常細胞に低分子化フコイダンを与えても、まったくアポトーシスを起こさないことがわかりました。このことから正常細胞への毒性はないとみなすことができ、細胞全般にダメージを与える抗がん剤のような副作⽤は起こりません。

がんの⼀種であるヒトの白血病細胞(HL60)に低分子化フコイダンを加えてみると、アポトーシスを、誘導することがわかりました。
低分子化フコイダンを加えたがん細胞は次第に丸くなって動きが止まり、内容物が風船のように漏れ出してきました。つまり、アポトーシスを起こしていることが確認できたわけです。

血管新⽣抑制作⽤

がん細胞というのは非常にタフであり、したたかです。増殖していくためには細胞自身、多くの栄養が必要になります。これを得るために、がん細胞は自ら血管を作ります。これを「新⽣血管」といいます。
がん細胞は新しい血管を伸ばすことで、増殖のための栄養補給路を確保していくわけです。
クモと同じように、がんも⼤きくなればなるほど、たくさんの新しい血管を伸ばし、貪欲に栄養を吸収していきます。結果的に、体の中に悪性腫瘍というポケットができた状態になり、患者さんの体に⼗分な栄養が⾏き渡らなくなります。いつもどおりに⾷事をしていても、やせ衰えていく場合が多々あります。体⼒がなくなっていけば、がんの増殖に対する抵抗⼒も奪われていきます。がんの増殖を防ぐためには、栄養の補給路である新⽣血管を作らせないことです。栄養が運ばれなくなれば、自ずとがんの勢いも弱まり、「壊死」の状態に近づいていきます。

血管新⽣はがん細胞が血管の成⻑を促進するVEGF(血管内皮細胞増殖因子)を分泌することによって起こります。しかし、低分子化フコイダンをがん細胞に作⽤させると、VEGFの発現を明らかに抑制している働きが確認できました。
図は子宮がん細胞に0.01mg/ml の濃度の低分子化フコイダンを加えて、VEGFの量を調べたものですが、低分子化フコイダンを加えないものと比べ、有意にVEGFの発現を抑えていることがわかりました。
さらに、低分子化フコイダンはVEGFの抑制だけでなく、血管の形成を抑制することもわかっています。
これらは「海藻モズクCladosiphonnovae-caledoniae kyline 由来の酵素消化フコイダン抽出物は、腫瘍細胞の浸潤及び血管新⽣を阻害する」と題した論⽂にまとめ、国際学術雑誌『Cytotechnology』に発表しています。

抗がん剤との相乗効果

低分子化フコイダンを使っている医師たちからは「抗がん剤とフコイダンを併⽤すると、治療効果が格段にアップする」という報告が寄せられています。最近の臨床例を紹介しましょう。
2009 年春、当時76 歳の男性は肺がんと診断され、7月から抗がん剤(タキソテール)治療を受けました。年齢的にも副作⽤がきつく、ほかの⼿⽴てはないかと家族がセカンドオピニオンを求め、福岡の別の病院を訪れました。その医師が薦めたのが低分子化フコイダンです。
同月10 ⽇から抗がん剤とともに低分子化フコイダンを飲⽤。1⽇300cc を飲み続けたところ、2週間後には腫瘍マーカーが正常値に戻りました。1カ月後の画像検査では当初6cm の腫瘍が著しい縮小を示し、2010 年1月現在も小康状態を保っています。
医師は「低分子化フコイダンの何らかの作⽤で抗がん剤の効果が向上したのではないか」と推察しました。医学的な根拠は不明なままですが、先にご紹介したように、低分子化フコイダンにはアポトーシス誘導作⽤に加え、免疫⼒増強作⽤もあります。そのため「副作⽤が緩和され、⾷欲もわいて、がんと向かい合う気⼒が芽⽣えるのだろう」、多くの医師たちはそんな漠然とした因果関係を考えていたようです。

シスプラチンは数多くのがんに有効性が認められているプラチナ製剤で、現在の抗がん剤治療の中⼼的な役割を果たしています。しかし、激しい副作⽤があり、深刻な場合は腎臓機能に障害をもたらします。抗がん剤シスプラチン単独の場合は正常細胞を死滅させるのに比べ、低分子化フコイダンを加えると正常細胞へのダメージを抑制する作⽤があるということがわかりました。
つまり抗がん剤の副作⽤を抑える効果があるということです。

がん細胞(HT 1080)に濃度を変えたシスプラチンと低分子化フコイダンを加え、がん細胞がアポトーシスを起こす割合を調べてみました。すると、低分子化フコイダンを加えていない場合に比べ、2倍強のアポトーシス誘導作⽤があることがわかりました。
つまり抗がん剤に低分子化フコイダンを加えることで抗がん剤の効果を増強するということです。

九州⼤学⼤学院教授が研究を続ける「低分子化フコイダン」


九州⼤学⼤学院の白畑教授は、がん治療における海藻由来酵素消化低分子化フコイダンの抗腫瘍効果の研究を続けております。フコイダン(低分子化フコイダン)の機能や、細胞メカニズム、三⼤作⽤について、数多くの学会発表をおこなっております。


低分子化フコイダン療法で、がんと闘う


低分子化フコイダン療法では、アポトーシス誘導作⽤(がんを死滅)、血管新⽣抑制作⽤(がんの栄養補給路を断つ)、免疫⼒強化作⽤(腫瘍に対する免疫の活性化機構)で、がんと闘う体を作っていきます。
また、抗がん剤との併⽤による相乗効果についても学会で注目を集めております。